バガンに来る観光客にとって最も人気が高いもののひとつは、パゴダの上から見る夕日です。しかし、遺跡の保全と観光客の安全のためには、パゴダへの昇り降りは一概に勧められるものではありません。そのため、私たちは川や村など魅力的な景観を見ることができる新たな場所を探しました。これらのビューポイントを記した「Discover Bagan」という地図を配布することで、Baganの新たな魅力を伝えていきます。

バガンの歴史的中心であるオールドバガンの中に、バガン情報センターを設立しました。ここは遺跡地域に位置しているため、周りの環境に調和するような外観や構造にしました。て国内外の観光客に向けた情報発信だけでなく、展示会やセミナーの場所として活用するなど地元の人たちからも期待されています。

観光客の増加によりバガンの交通量は増加し、遺跡への影響、混雑、安全性など様々な交通問題が発生しています。文化遺産の中の交通状況を改善するために、次のような実証試験を行ないました。1）駐車制限、2）オールドバガン内の交通規制、3）循環バスの導入、4）夕方の馬車利用の推進

民間の運輸事業者の意見も取り入れながら、今後も適切な交通計画が進められていきます。

観光促進のためにはメディアの有効利用が大切です。マスメディアにはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌など多様なチャンネルがありますが、近年、YouTubeやFacebookなどのソーシャルメディアが重要な役割を果たしています。そこで、仏教遺跡だけでなく地元の人たちの生活や自然環境など、バガンの多様な魅力に焦点を当てた動画を作成し、世界に向けてインターネットで発信しました。このプロジェクトを通じてバガンの地元の人たちに動画作成の経験が蓄積され、将来は自分たちで自ら発信することも目指しています。

有名な寺院・パゴダで行われるパゴダ祭りのように、バガンでは何百年も続いてきた文化的・宗教的なイベントがあります。このプロジェクトでは、国内外の観光客や地元の人たちも参加するイベントとして、「バガン・フォト・フェスティバル2017」を開催しました。合計439枚の写真が寄せられ、2万以上ものFacebookの「いいね」が届きました。これらの写真を通じて、今まで知られていなかったバガンの魅力も発見することができました。今後も、フォト・フェスティバルのようなイベントが定期的に開催されることが期待されます。